室内ストーカー(室間添随症)とは、集合住宅で隣接する住人の行動・生活スケジュールを監視し、つきまとう行為です。
被害者の自宅という、最もプライベートで安全であるべき空間に侵入し、様々な形で嫌がらせや監視を行います。
「物音を立てると必ず咳払いが返ってきたり、窓を開けると同じように窓を開ける音がする……」
「家にいるときにずっと監視をされているようで、心が落ち着かない……」
こういったケースに心当たりはありませんか。
気のせいだと我慢していると、取り返しのつかないことになってしまうかもしれません。
室内ストーカーはなぜこういった行動に出るのかという心理を紐解きながら、その対策法も探偵目線で解説します。
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室内ストーカーの性質上、被害者に計り知れない精神的苦痛と恐怖を与える、非常に悪質で危険な行為です。
その被害は多岐にわたります。
最も安全であるはずの自宅が「見られている」「侵されている」空間となり、安心感を完全に失います。
常に誰かの視線を感じ、リラックスできなくなります。
いつ侵入されるか、何が起こるかわからないという恐怖に常に苛まれます。
特に就寝中や入浴中など、無防備な状態の時に侵入されている可能性があるという想像は、筆舌に尽くしがたい不安を生むのです。
ストレスと恐怖から、心身ともに疲弊し、睡眠障害や摂食障害を引き起こすことがあります。
長期にわたる恐怖体験は、深刻な精神的ダメージを与え、日常生活に支障をきたす精神疾患につながる可能性があります。
誰が犯人かわからない、あるいは信頼していた人物が犯人だった場合、他者への信頼感を失い、周囲の人々にも疑心暗鬼になることがあります。
また、被害を打ち明けても理解されにくいことから孤立感を深めることもあります。
なぜ自分がこんな目に遭うのか、自分が何か悪いことをしたのか、と自身を責めてしまうことがあります。
一貫して言えることは、「常に監視されている」「安寧の地が脅かされている」という脅迫感が、あなたを追い詰めてしまうということです。
さまざまな被害をもたらす室内ストーカーは、一体どのような心理状態にいるのでしょうか。
ひとつひとつ紐解いていきます。
「自分は引きこもりではない」
「私を認めてほしい」
などといった、強い自己顕示欲を抱いています。
被害者を精神的に支配し、依存させることで自分の立場を強化しようとします。
また、被害者が他者と関わることも嫌い、そういった場面を見るとさらにエスカレートする恐れもあります。
室内ストーカーは他者からの理解や、共感を得られない孤立状態にあり、自分の問題点を客観的に見られないというのも特徴です。
被害者が感じているであろう恐怖、不安、苦痛に対する共感性が著しく低いか、全くありません。
むしろ、被害者の苦しむ姿を見て満足感を得る、あるいはそれが自分の力だと感じることがあります。
被害者を自分のものにしたいという独占欲が強く、ストーカー行為を通じて相手を征服しようとすることも。
室内ストーカー特有の心理状態は、以下の通りです。
テクノロジーを駆使してストーカー行為を行うことで、現実感や罪悪感が麻痺してしまうことがあります。
相手を監視し、プライベートな情報を収集することに快感を覚える場合があります。
テクノロジーを悪用することで、ストーカー行為が巧妙化し、発覚しにくくなるためエスカレートしやすい傾向があります。
隣接する部屋から監視をし、最悪の場合住居侵入まで行なう室内ストーカー。
室内ストーカーから身を守るためにできることを、ご紹介します。
・高性能なドアロック(ディンプルキー、電子ロックなど)に交換する
・ドアチェーンやドアガードを取り付け、訪問者を確認してからドアを開ける
・窓に防犯フィルムを貼り、侵入を困難にする
・窓に補助錠を取り付け、二重ロックにする
・窓やドアの隙間を埋めるテープを貼り、覗き見を防止する
・玄関、裏口、窓など、侵入経路となりやすい場所に監視カメラを設置する
・録画機能付きのカメラを選び、証拠を保全できるようにする
・ダミーカメラも設置し、抑止効果を高める
・人感センサー付きのライトを設置し、夜間の侵入を検知できるようにする
・明るい照明を設置し、死角をなくす
万が一の事態に備え、防犯グッズ(催涙スプレー、防犯ブザーなど)を携帯する
・スマートフォンに110番の緊急連絡先を登録し、すぐに通報できるようにする
・警視庁が推奨する110番アプリをインストールしておくと、より迅速かつ正確な通報が可能
玄関だけでなく、窓やベランダなど、複数の避難経路を確認しておく
不審な点があれば、どんな些細なことでも日時、場所、内容、状況を詳細に記録しましょう。
日付が自動で記録されるアプリなどを使用して、写真や動画で記録を残すとなお良いです。
また、精神的な負担(不眠、食欲不振、体調不良など)も記録しておくと、法的措置に繋がります。
室内ストーカーから解放されるには、犯人が残した証拠を手に、早期に相談することが必要です。
室内ストーカーは、通常のストーカーよりもさらに近くで息をひそめています。
ストーカー行為がエスカレートしてしまったときに、一瞬でも対処法を間違えると、何が起こるかわかりません。
だからこそ、早期の相談が肝要になります。
「証拠がないから……」と諦めてしまう人も多くいますが、状況を伝えるだけでも、相談履歴として残ることで今後の対応に繋がる可能性があります。
ストーカー規制法や住居侵入罪など、適用される法律があるかを確認してもらいましょう。
ただし、事件性がないと判断されると、なかなか動けないのが警察です。
警察に相談したけれど動いてもらえなかった場合、またはこれから警察に相談するため客観的な証拠を入手したい場合に、探偵に依頼することが有効です。
探偵は事件性の有無に関わらず、調査にあたります。
探偵ができるのは、以下のような動きです。
一人で抱え込まず、家族や友人など、信頼できる人物に状況を話し、サポートを求めましょう。
室内ストーカーからの被害を受けると、被害者は孤立しがちです。
人間不信に陥ってしまい、他人を信じることは大きなハードルですが、周囲のサポートが不可欠です。
恐怖や不安、PTSDなどの精神的な症状が出た場合は、心療内科や精神科、カウンセリングの専門家を受診しましょう。
集合住宅における悪質な隣人トラブルである室内ストーカー(室間添随症)は、被害者に甚大な精神的苦痛と恐怖を与えます。
こうした行動の背景には、ストーカーの強い自己顕示欲、共感性の欠如、そしてテクノロジー依存による監視への倒錯した快感があります。
一人で悩まず、専門機関のサポートを受け、安全な生活を取り戻すために行動することが大切です。
当事務所ではお問い合わせフォーム・メール・電話・LINEにて、24時間365日、無料相談窓口にて相談を受け付けています。
プライバシーを厳守しており、匿名でのご相談も可能です。
あなたの安全と心の平穏のために、必要なサポートを受けることをおすすめします。
監修者・執筆者 / 山内
1977年生まれ。趣味は筋トレで現在でも現場に出るほど負けん気が強いタイプ。 得意なジャンルは、嫌がらせやストーカーの撃退や対人トラブル。 監修者・執筆者一覧へ
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