近年、GPSによる監視や追跡の被害が増加しています。
無許可でGPSを取り付ける行為は違法であり、たとえ家族内でのできごとだとしても、ストーカー規制法違反や不正アクセス禁止法違反に該当する可能性があります。
浮気調査やストーキング、親権争いのためにGPSを仕掛けられるケースもあり、放置すると深刻なトラブルに発展しかねません。
しかし、GPSは巧妙に隠されているため、自力で見つけるのは容易ではないでしょう。
本記事では、「GPSを取り付けられた場合に問われる罪」「発見方法や対処法」「探偵に調査を依頼するメリット」について詳しく解説します。
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たとえ親子や配偶者などの家族関係があっても、相手の許可なくGPSを仕掛ける行為は違法です。
実際にGPSを発見した際、どういった罪に問うことができるのか確認しておきましょう。
主に、以下のような罪に問われる可能性があります。
GPSを取り付けるために勝手に人の住居などに侵入すると、刑法第130条の「住居侵入罪」、または「建造物侵入罪」に該当する場合があります。
ガレージやマンションの敷地内に入っただけでも法に触れる可能性が高いです。
別居中の配偶者の家に、許可なく無断で立ち入る行為も、住居侵入罪に該当する可能性があります。
・3年以下の懲役または10万円以下の罰金
住居侵入罪や建造物侵入罪が成立しない場合でも、無許可で立ち入り禁止の場所に入ると「軽犯罪法違反」となるおそれがあります。
立ち入り禁止とされている土地や建造物・自動車、「立ち入り禁止」と書いてある場所への侵入は、軽犯罪法第1条32号「立入禁止場所等侵入罪」として、拘留または科料が課せられます。
刑法の犯罪に比べて軽犯罪法の法定刑は軽く思われますが、実際に課せられると前科となります。
・30日未満の刑事施設への拘置
・1万円未満の罰金
ストーカー規制法違反は、恋愛感情や好意が満たされなかったことに対する怨念を充足する目的でつきまとい行為を行うことを規制するものです。
令和3年より、許可なくGPSを取り付ける行為や、GPSにより位置情報を取得する行為が新たに規制対象となりました。
・1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・禁止命令に違反した場合には、2年以下の懲役または200万円以下の罰則
恋愛感情や好意にもとづかない怨念による行為の場合、都道府県が独自に定める迷惑防止条例に違反する可能性があります。
ねたみや恨みといった感情を満たす目的で、つきまといや見張り・不安を覚えさせるような行為を行うと罰則されます。
各自治体の条例によりますが、たとえ同居中の配偶者であっても、GPSを取り付ける行為は違法となり、処罰される可能性が高いです。
・2年以下の懲役または100万円以下の罰金
※自治体により異なる
GPSを取り付ける際に人の所有物に傷をつけると、「器物損壊罪」に問われるおそれがあります。
GPS取り付けの際に、車のシートをはがしたり、ビスで固定するための穴をあけたり、車の内装や外装を破損させるなどの行為があれば、器物破損罪が成立する可能性が高いでしょう。
・3年以下の懲役または30万円以下の罰金
GPSアプリをスマホに仕掛けるために、不正な手段で得たパスワードを使ってスマホのロックを解除すると、「不正アクセス禁止法違反」となる可能性があります。
・3年以下の懲役または100万円以下の罰金
無断でアプリをインストールするなどの下記行為は、「不正指令電磁的記録供用罪」に該当する可能性があります。
3年以下の懲役または50万円以下の罰金
GPSを発見したら、不安になりますよね。
「何の目的で…」「どうしてわたしが…」と精神的に参ってしまう人も多いでしょう。
GPSを無断で仕掛ける行為は、浮気調査やストーキングなどさまざまな目的で行われています。
主な目的を解説するので、心当たりを考えてみましょう。
浮気を疑う配偶者や恋人が、パートナーの行動を監視するためにGPSを取り付けるケースは非常に多いです。
車やスマホに仕掛け行動履歴を追うことで、浮気の証拠を掴もうとしているのです。
しかし、本人の許可なくGPSを取り付ける行為は、たとえ配偶者間であっても違法となることが多く、GPSを使って得た情報は裁判で証拠として認められない場合もあります。
ストーカーが相手の行動を常に監視するためにGPSを仕掛けるケースもあります。
「どこにいるのか知りたい」「誰と会っているのか把握したい」という執着心から、相手に無断でGPSを取り付けるのです。
こうした行為はストーカー規制法違反に該当し、発覚すれば厳しい罰を受けることになります。
また、ストーカーはGPSのほかにも、スマホの位置情報をハッキングしたり、監視カメラや盗聴器などを仕掛けたりするケースもあるので、十分な対策が必要です。
心当たりがある場合は、すぐに警察や探偵などのプロに相談し、安全対策を講じましょう。
離婚や親権争いの際、相手の行動を監視し、有利な証拠を得ようとしてGPSを仕掛けるケースがあります。
「相手が不貞行為をしている証拠を掴みたい」「子どもを連れ去られる可能性があるから監視したい」などといった理由が多いです。
しかし、無許可で取り付けたGPSによる証拠は法的能力が乏しいうえに、GPSを仕掛けたという事実が裁判で不利に働く可能性があります。
親権争いでは、相手を違法に監視していた事実が判明すると、親としての信用を失うリスクもあるでしょう。
空き巣が下見のためにターゲットの行動を監視する目的でGPSを仕掛けるケースもあります。
「家にいない時間を把握する」「普段の行動パターンを分析する」といった目的で、特に車に取り付けることが多いです。
空き巣は一度ターゲットを決めると、入念な下調べを行い、確実に侵入できるタイミングを狙うため、GPSを見つけた場合はすぐに対処する必要があります。
「誰かに監視されている気がする」「行動が知られているようで不安」そんな感覚を覚えたら、GPSを取り付けられている可能性があります。
ここから、GPSが取り付けられていないか確認するための方法を詳しく解説します。
特に車やスマホに仕掛けられているケースが非常に多いので、重点的に探してみましょう。
GPSは、見つかりにくい場所に取り付けられるため、目視で確認する際には、下記ポイントを重点的にチェックしましょう。
・車の下部やバンパーの裏側
・ホイールハウスやマフラー付近
・トランクの内側やスペアタイヤの収納スペース
・ダッシュボードやシートの下
・シガーソケット周辺
・カバンのポケットや底の内張
・財布や小物ケースのなか
・スーツケースやリュックの内側
車のシートやクッションの内側・カバンのポケットのなかに縫い付けられている可能性もあるので、手探りで異物がないか確認するのがおすすめです。
磁石タイプのGPSや充電式のGPS・超小型GPSもあるので、見覚えのないものを見つけたら、GPSの可能性を疑いましょう。
GPSは定期的に電波を発して位置情報を送信しています。
GPS探知機を使えば、GPS電波を検出することができ、その有無を確認できるのです。
ただし、GPS探知機には電波の強度を頼りに設置場所を特定しやすいというメリットがあるものの、誤検出の可能性も否めません。
カーナビやスマホの電波との違いを理解しながら慎重に捜査する必要があるので、使用方法がわからない場合はプロに依頼したほうがいいでしょう。
GPSは、スマホに仕込まれることもあるため、スマホの設定やアプリをチェックすることも大事です。
このような異常を見つけたら、GPSアプリや位置情報を監視するスパイアプリが仕掛けられている可能性があります。
スマホにGPSが仕掛けられた可能性がある場合、仕掛けた犯人につながる手がかりが残されていることもあるので、むやみに触らずプロに相談しましょう。
自分の車や持ち物に見覚えのないGPSを発見したら、慎重に対応しましょう。
焦って取り外すと、証拠を失うことになったり、設置者を特定できなくなったりする可能性があります。
GPSを仕掛けられた背景には、ストーカー行為や空き巣などの犯罪が関与しているケースも多いので、適切な手順で対処する必要があります。
ここから、GPSを見つけた際に取るべき適切な対処法について詳しく解説します。
GPSを発見したら、すぐに取り外したくなるものです。
しかし、GPSを外してしまうと、設置者や犯人の特定が難しくなり、証拠としての能力も下がってしまいます。
また、GPSの電源を切ったことで相手が異変に気づき、別の手段で監視を続けたり、証拠隠滅をはかったりする可能性もあるでしょう。
さらに、違法に設置されたGPSを勝手に処分すると、あなた自身が証拠隠滅をしたとみなされる可能性もあります。
設置者の指紋や手掛かりが残っていることもあるので、GPSを発見しても、むやみに触れないことが大事です。
GPSを発見したら、証拠として詳細を記録しておきましょう。
これらの情報を記録しておくことで、警察や探偵に相談する際に役立つ情報となります。
時間が経つと記憶は薄れていくので、出来るだけ早く情報は整理しておきましょう。
GPSを仕掛けた犯人が再び現れる可能性を考え、監視カメラを設置して、犯人特定及び証拠収集をするのも有効な対策です。
車や自宅周辺に監視カメラを設置することで、不審者の動きを記録できる可能性があります。
監視カメラの映像は、警察に提出する際の重要な証拠となり、犯人を特定する手がかりにもなります。
GPSが再び取り付けられるリスクを減らすためにも、防犯対策を強化しておきましょう。
GPSが仕掛けられた場合、違法行為に該当する可能性が高く、犯罪に巻き込まれるおそれもあります。
特に、ストーカー規制法や迷惑防止条例に違反するケースや、空き巣などの犯罪が絡んでいるケースは、警察が捜査に乗り出す可能性があります。
発見の経緯をまとめた記録と、発見したGPSの証拠や監視カメラの映像を提示すると、スムーズに対応してもらいやすくなるでしょう。
ただし、GPS設置の犯人や目的がまったくわからない場合、警察が積極的に動かないこともあります。
その場合は、探偵に調査を依頼するのも一つの方法です。
警察の対応が進展しない場合でも、「相談した」という記録を残しておくことが今後役立つ可能性もあるので、警察には必ず相談しておきましょう。
警察が動かない場合や、より詳しい調査を行いたい場合は、探偵にGPSの調査を依頼するという手もあります。
探偵は、さまざまな調査の経験や知識をいかし、GPSの設置者やその目的を徹底的に調査します。
また、精神的なサポートや法的措置の相談などにも応じてくれるでしょう。
探偵の専門調査を利用することで安心を取り戻すことができます。
「探偵の調査って何がすごいんだろう…」「わざわざお願いする必要があるのだろうか…」など、探偵への依頼に抵抗がある方もいるかもしれません。
しかし、素人が自力でGPSを見つけたり、設置者を特定したりするのは簡単ではありません。
すべてが明らかになる前に、犯罪被害に遭ったり、知られたくない事実を他人に知られたりする可能性もあります。
探偵に依頼することで、確実な調査が可能になるのです。
プロに依頼するメリットを紹介するので、ぜひ検討してみてください。
GPSは巧妙に隠されていることが多く、素人が目視で発見するのはかなり難しいです。
探偵は、GPS探知機や電波測定器などの特殊機材を使用し、確実に発見する技術を持っています。
車両の底部や内装の奥深くに取り付けられたGPSも、一般的な市販のGPS探知機では見つけられないタイプのGPSも、特殊な機器を使えば発見することができます。
プロに依頼すれば、早期に発見することができるでしょう。
GPSを発見しただけでは、設置者まではわかりません。
探偵は、GPSの設置者である犯人を特定するための証拠収集も行います。
具体的な調査方法は、下記のとおり。
探偵は、小さな手がかりから犯人を特定する技術を持っています。
犯人を特定できれば、GPS設置の目的がはっきりとし、法的措置など次の手段を検討することができるでしょう。
GPSが違法に設置された場合、警察に捜査を依頼したり、設置者に対して慰謝料請求などの法的措置をとったりするには客観的な証拠が必要不可欠です。
探偵は、GPSを回収にきた犯人の写真や動画・スマホに仕掛けられたアプリの解析による追跡記録など、法的に有効な証拠を掴むことができます。
また探偵は、GPSの発見から設置者特定までの経緯・設置の違法性やその証拠のデータをまとめ、裁判において有効な証拠となる「調査報告書」を作成します。
親権争いや離婚調停・慰謝料請求など、法的な場において被害を立証することができるので、話を有利に進める役に立つでしょう。
GPSの取り付けが違法かどうかの判断は、ケースバイケースです。
探偵は法律の専門家と連携し、違法性の有無を判断します。
仮に違法性が認められた場合、探偵は違法行為の証拠を揃えたうえで、法的措置のサポートまで一貫して行います。
GPSが発見された場合、それ以外の監視手段が使われている可能性も考えられます。
探偵は、盗聴器や隠しカメラの有無を調査することも可能です。
特に、浮気調査や離婚調停・親権争いなどのトラブルでは、複数の監視手段が使われることが多いです。
探偵に依頼すれば、GPSだけでなく、あらゆる監視リスクを徹底的に調査し、安心を取り戻すことができるでしょう。
GPSが無断で取り付けられていた場合、違法行為の証拠を確保しなければ、警察への捜査依頼や法的措置は難しくなります。
しかし、素人が自力で証拠を集めようとすると、手がかりを消してしまったり、設置者である犯人に知られて証拠隠滅を図られたりと、状況が悪化してしまう可能性が高いです。
知識や経験がないのであれば、探偵への依頼を検討しましょう。
探偵は、確かな知識と技術で確実な証拠を押さえ、違法性を判断し、警察や弁護士と連携して対処することができます。
「GPSを仕掛けられているかもしれない」と感じたら、早めに相談することが大事です。
当事務所では、無料相談・無料見積もりを行っています。
依頼に迷っている方や、話を聞きたいという方も、お気軽にお問い合わせください。
監修者・執筆者 / 山内
1977年生まれ。趣味は筋トレで現在でも現場に出るほど負けん気が強いタイプ。 得意なジャンルは、嫌がらせやストーカーの撃退や対人トラブル。 監修者・執筆者一覧へ
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