2025年4月21日、大阪市北区在住の女性が交際相手の男性の指を切り落とした傷害容疑で逮捕されました。
同年1月に交際相手の男性から別れ話のもつれによるトラブルの通報が警察に寄せられ、警察の捜査の結果女性の自宅にある冷蔵庫から男性の左手の薬指が入ったビンが見つかったとのことです。
このような事件が起こった背景には、2人の恋愛関係において生じてしまった優位性がいつしか上下関係や主従関係にまで発展した結果、片方の言い分に逆らえない洗脳状態にまで至ってしまったことが考えられます。
現にこの事件に関する背景が明るみになるにつれ、女性が男性に対して優位な状況にある関係性となっており、男性は女性の言うことを聞くばかりだったと明らかになっています。
また、男性は銀行の通帳やスマートフォンを女性に奪われて金庫で管理されるなど、私生活においても管理下に置かれていたことがわかりました。
なぜ男女の対等と思われる恋愛関係から、このような上下関係や主従関係に基づく洗脳状態が生まれてしまうのでしょうか。
この記事では、今回大阪で発生した交際トラブルを元にして恋愛関係で洗脳が生まれてしあう理由について探偵目線で解説していきます。
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交際相手の指をおので切り落としたなどとして、大阪府警曽根崎署は23日、傷害の疑いで、大阪市北区兎我野町の無職、佐藤紗希容疑者(23)を逮捕、送検したと発表した。容疑を否認している。
逮捕、送検容疑は昨年9月~今年1月、自宅で、当時同居していた交際相手の20代男性の左手薬指をおので切断して欠損させたほか、男性の顔を複数回殴ったり、乳首をはさみで切断したりしたとしている。
恋愛というものはお互いに相手を好きだと思ったり、大事だと思う気持ちが基になって生まれる心と身体の結びつきです。
時には他の利害関係など関係なく相手のことを第一に考えて行動できたり、すべての優先順位が交際相手のためになるかどうかとなる場合があります。
それにもかかわらず、相手から一方的に搾取されたり命令を聞かされる洗脳状態がなぜ発生してしまうのか解説します。
そもそも恋愛関係が始まる前の段階から、片方が相手よりも優位な関係だった場合は交際関係が生まれたあとに洗脳状態に至る可能性が考えられます。
例えば年齢差がある間柄だったり、コミュニティ内での先輩後輩の関係や職場内で上司部下の関係であることなどが挙げられるでしょう。
また、交際に至るまでに片方が相手に対して大きく譲歩する必要があった場合や条件を提示された上で交際が開始した場合などはどうしても関係の中に優位性が生まれてしまいます。
今回の大阪で発生した男女トラブルでも、交際の始まりは年齢が下であった男性側の熱烈なアプローチがきっかけだったということからも、交際開始の時点から女性側に優位性がある関係であったことが読み取れるでしょう。
そのため、始まりの時点で優位性が片方に傾いている恋愛関係は、洗脳状態が生まれやすい土壌になっているといえます。
多くの恋愛関係において、例え始まりの段階で片方に優位性があったとしても、お互いに人として向き合うごとに理解度が高まった結果、優位性は薄れてどんどん対等な関係になっていきます。
しかし、恋愛関係が生まれてから時間が経って以降も上下関係が継続して片方に優位性がある場合は、知らない内にマインドコントロールを受けている可能性が考えられるでしょう。
マインドコントロールを意識的に行なえる人はかなり危険ですが、多くの恋愛関係における洗脳状態は無意識の内にマインドコントロールの手法を行なっていることが考えられます。
恋愛におけるマインドコントロールに陥りやすい手口として、代表的なものは下記になります。
このような行為が行なわれた場合、相手への依存心がどんどん高まってしまい、いつしか相手の言うことを聞くことを喜びに感じてしまったり「言うことを聞かなければ関係が終わってしまうのでは」という不安感を覚えて言うことを聞かざるを得ない状況となってしまいます。
また、お互いの存在への依存が発展して、いつしか双方ともに相手に対して強い依存心を持つ「共依存」の状態もある意味マインドコントロールをかけ合った結果生まれるものだといえるでしょう。
共依存の場合は両方ともがお互いの存在を失いたくない一心で行動するため、周囲を顧みない行動も目立つようになって社会性が失われていくこととなる可能性があります。
マインドコントロールは精神的に相手を支配する行動ですが、暴力によって相手の肉体にダメージを与えて抵抗させなくしたり抵抗する気持ちを無くして主従関係を構築する洗脳方法もあります。
今回の場合でいえば、女性が男性に乳首を切り落とすように指示したり、浮気を疑った結果斧を使って男性の左手薬指を切り落としたことはまぎれもない暴力行為です。
また、2025年1月に男性から警察に通報があった際にも、男性の顔には右側や鼻のあたりに暴行を受けていたことが確認されていたため、少なくとももっと日常的に暴力が存在していたと考えられるでしょう。
暴力を受けた人は肉体的なダメージを与えられるだけでなく、痛みを感じることで精神的にもダメージを受けてしまうため、だんだんと暴力を示唆されるだけで抵抗する気持ちが弱まってしまうようになり支配的な状況から逃れるのが難しくなります。
特に恋愛のように心も身体も近くなる関係だと、自分の欲求を隠さずに相手に伝え続けることでいつしか行動にもその気持ちが反映されてしまい、暴力にまで発展する場合があるでしょう。
恋愛関係が行き過ぎた結果洗脳状態にまで発展してしまう場合があることが理解できても、その状況から逃げ出すことはできなかったのでしょうか。
今回の事件における暴行の開始は2024年の9月30日ごろに乳首の切断の強要からと言われており、同年10月19日には左手薬指の切断にまで発展しています。
明らかに常軌を逸した行為が続いていましたが、すぐに抜け出せなかったのはなぜなのでしょうか。
あらゆる洗脳において、その被害者は自らが洗脳状態に置かれていることには簡単には気付けない場合が大半です。
それは洗脳に至る前の関係の始まりが相手への尊敬心であったりなど、一定以上の好意的な感情が起点になっているため、仮に洗脳によって苦痛を受けたとしてもその苦しみよりも相手への好意的な感情が勝ってしまうと洗脳されている状況を苦と思わなくなります。
特に恋愛感情は人間同士が抱く好意の中でも最も強い感情の一つなので、恋愛感情がある内は例え相手からひどい仕打ちを受けたとしても「でもあの人が必要だから離れたくない」という気持ちが優先されてしまい、洗脳の状況が続いてしまうことになります。
さらに今回の場合、女性が男性の指を切り落とした理由としては「違う女と結婚できないようにした」と言う証言があるなど、恋愛感情に基づく動機があったことが示唆されており、単に相手に危害を加えたいだけではなかったことが読み取れます。
このように洗脳によって危害を加える理由にプラスの感情がこもっている場合だと、ひどい被害を受けていても一種の愛情表現だと誤解してしまい状況の改善が見込めない場合もあるでしょう。
恋愛感情に基づく洗脳状態は当事者間の努力だけでは解消することが非常に難しくなるため、洗脳解除の知識を持った探偵などの専門家に一度相談してみることをおすすめします。
一般的に洗脳解除プロセスは下記のように実施します。
この中でも最も難しいプロセスは疑念を抱かせる行為です。
疑念を持たせたいからといって、洗脳されている組織や人のことを否定してはいけません。
探偵は調査して事実をお伝えします。
事実のなかには洗脳されている人が、疑念を抱かずにはいられないものもあるでしょう。
探偵はその事実を伝え、徐々に洗脳を解除していきます。
もし、親しい人や親戚が洗脳されている場合はご相談ください。
洗脳解除に経験のある調査員が対応します。
監修者・執筆者 / 山内
1977年生まれ。趣味は筋トレで現在でも現場に出るほど負けん気が強いタイプ。 得意なジャンルは、嫌がらせやストーカーの撃退や対人トラブル。 監修者・執筆者一覧へ
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