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公開日: 2025/11/07 最終更新日: 2026/01/09
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 公開日: 2025/11/07 最終更新日: 2026/01/09

マタハラの定義や具体例は?|妊娠・出産時のハラスメントへの対処法

この記事の読了目安時間は約 1 分です。

妊婦

昨今、女性の社会進出・活躍の場が広まり、育児と仕事が両立できる職場環境作りが求められています。

しかし、現実では、育児休業や子育て後の職場復帰をめぐるトラブルが増加傾向にあります。

中でも、妊娠・出産時のハラスメントである「マタニティハラスメント」は、働く女性にとって看過できない問題です。

本記事では、マタニティハラスメント(以下マタハラ)の定義や具体例を解説し、マタハラ被害を受けた際の対処法についてまとめています。

マタハラ(マタニティハラスメント)とは?

マタニティマーク

2020年の厚生統計協会の調査によると、育児しながら就労した経験がある女性の42.5%が、マタハラ被害を受けた経験があると回答しました。

そもそも、マタハラとはどのようなものなのでしょうか。

以下では、マタハラの定義や種類を説明します。

マタハラの定義

妊婦

厚生労働省の「職場のセクシュアルハラスメント、妊娠・出産等ハラスメント防止のためのハンドブック」によると、マタハラの定義は以下のとおりです。

「マタニティハラスメントとは、職場において行われる上司・同僚からの言動(妊娠・出産したことや、育児休業等の利用に関する言動)により、妊娠・出産した労働者や育児休業等を申出・取得した労働者の就業環境が害されること」

なお、ここでいう「職場」とは、労働者が通常勤務している場所だけではなく、出張先や、実質的に職務の延長と考えられるような宴会の場なども該当します。

また、「労働者」とは、事業主が雇用するすべての労働者を指します。

つまり、正社員だけではなく、契約社員・派遣社員・パートタイム労働者などの、いわゆる非正規労働者も含まれます。

マタハラの種類

病んだ妊婦

マタハラには、「制度等の利用への嫌がらせ型」「状態への嫌がらせ型」の2種類があります。

 「制度等の利用への嫌がらせ型」とは、育児休業や育児を理由に短時間勤務などの制度を利用しようとする労働者に対して、嫌がらせや制度利用を妨害する言動を行うことです。 

妊娠・出産等に関わる制度とは、

  • 産前産後休業、育児休業
  • 子の看護休暇
  • 育児のための所定労働時間の短縮措置

などが挙げられます。

労働者がこのような制度を利用しようとした際、解雇や不当な異動を示唆して暗に妨害したり、制度を利用したことにより嫌がらせ等を行うことが 「制度等の利用への嫌がらせ型」に該当します。

「状態への嫌がらせ型」とは、妊娠や出産といった女性労働者の状態を理由として嫌がらせを行うことです。 

女性労働者が妊娠や出産をし、業務に従事できなかったことや、労働能率が下がったことを理由に、解雇や不当な異動を示唆するなどの嫌がらせを行うことが「状態への嫌がらせ型」に該当します。

具体例としては、妊娠したことを理由に「体調不良で仕事ができないなら辞めなよ」と退職を促されたり、「女は子どもを産んだら専業主婦になるべきだ」といった価値観を押し付けられるなどが挙げられます。

マタハラは違法行為

ハラスメントの文字と×マーク

妊娠・出産等を理由とする「不利益取扱い」は、法律で禁止されています。

妊娠・出産・育児のための制度を利用したこと等を理由として、解雇、減給、降格、不利益な配置転換、契約を更新しない等(契約社員等の場合)といった行為をした場合、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法上の「不利益取扱い」となり、違法となります。

マタハラの具体例を紹介

妊婦

ここでは、「言動による嫌がらせのケース」「不当・不利益な取り扱いをされるケース」に分けて、マタハラの具体例を紹介します。

言動による嫌がらせのケース

指差す人物

  • 妊娠した労働者に対して、「妊娠するタイミングを考えろ」と言う
  • 「育休を取るなら退職してもらうしかない」と解雇をほのめかす
  • 「妊娠してから仕事が楽でうらやましい」などと嫌味を言う
  • 上司に妊娠を報告したところ、 「次回の契約更新はない」と言われた
  • 産休の取得について上司に相談したところ、 「代わりに他の人を雇うので早めに辞めてもらえないか」と言われた
  • 男性労働者が育児休業の取得について上司に相談したところ、 「男のくせに育児休業をとるなんてあり得ない」と言われた
  • 同じ部署の同僚から「こんな忙しい時期に妊娠するなんて信じられない。妊娠を理由に仕事を押し付けるな」と繰り返し言われ、精神的に落ち込み業務に支障が出ている

不当・不利益な取り扱いをされるケース

膝を抱えた女性

  • 妊娠・出産を理由に不当に降格させたり、本人が希望しない部署への異動を強要したりする
  • 妊娠・出産後の人事評価で、不当に低い評価をつけ、賞与を減額する
  • 上司から「妊婦はいつ休むか分からないから、大事な仕事は任せられない」と言われ、本人の意向を確認せずに、一方的に軽易な業務や雑用ばかりを担当させられる
  • 妊娠による体調不良を理由に休むことが増えた労働者に対し、無視や嫌がらせを行う
  • 妊娠によって業務効率が落ちた労働者に対し、業務上の連絡を与えないなどの嫌がらせを行う
  • 妊娠を理由に、予定されていた昇進・昇格を取り消す
  • 育児休業からの復帰を急かしたり、復帰後に不当な扱いをする
  • 育児短時間勤務の対象期間などを本人の希望を聞かずに一方的に決定する
  • 妊婦健診のために休暇を取得したいと上司に相談したら、 「病院は休みの日に行くものだ」と休暇取得を拒否された

マタハラに当たらないケースもある

PCに向き合う妊婦

妊娠した労働者に対する上司や同僚からの言動のうち、マタハラに該当しない例もあります。

「業務上、または安全配慮上で必要な調整」に当たる場合は、ハラスメントに該当しません。

ただし、「業務上、または安全配慮上で必要な調整」に当たる場合であっても、労働者の意をくまない一方的な通告はハラスメントとなる可能性があるため注意が必要です。

マタハラに該当しないものとして、以下のようなケースがあります。

ケース1

チームで進めているプロジェクトの会議の日に、妊婦健診を理由に休暇取得を申請した労働者に対して、上司から「妊婦健診の日程を調整してほしい」と打診した。

このように、妊娠・出産に関する制度等の利用を希望する労働者に対して、業務上の必要性により日程変更の依頼や相談をすることは、労働者を強要しない限りハラスメントには該当しません。

 

ケース2

ある妊娠中の職員は、妊娠前の変わらない勤務形態を続けたいと希望しているが、客観的に見て明らかに本人の体調が悪く、実際に業務にも支障をきたしている。そのため、上司が「具合が悪そうだけど、大丈夫?仕事の量を調節できるから、必要があれば教えてね」と伝えた。

このように、妊娠している職員に対して、業務量の削減や業務内容の変更等を打診することは、業務上の必要性に基づく言動といえるため、ハラスメントには該当しません。

マタハラに関する裁判・懲戒処分事例

妊婦

職場でのマタハラの有無が争点となった裁判例や、マタハラをしたことが理由で懲戒処分となったケースをいくつかご紹介します。

懲戒処分が下されたケース

解雇通知

2021年3月、大阪市役所の男性課長(58)が、妊娠した女性職員に対し、「タイミングが最悪」「職場に迷惑がかかるのがわからないのか」などと発言をした。

また、同課長は、2017年2月から約1年間、部下だった女性が結婚した直後から「◯月に妊娠すれば別の部署に異動できる」などと発言していた。

市はマタニティハラスメントがあったことを認め、この課長を停職3カ月の懲戒処分とした。

最高裁が違法性を認めたケース

最高裁判所

広島中央保健生活協同組合が経営する病院に勤務していた女性従業員が、妊娠がわかった後に身体的負担の少ない業務への変更を希望したところ、業務変更を機に降格させたられたことについて、女性が病院側に対して訴訟を起こし、損害賠償を求めました。

最高裁判所は、「妊娠中の軽易な業務への転換を契機として女性従業員を降格させる事業主の措置は、原則として違法である」として、原審の広島高等裁判所の判決を破棄しました。(平成26年10月23日の最高裁判所判決)

慰謝料請求が認められたケース

お金と天秤

妊娠した女性職員が、上司に妊娠したことを告げた上で、業務軽減を求めたところ、上司から 「妊婦として扱うつもりはない」 「万が一何かあっても働き続ける覚悟があるのか」などと発言し、制度の利用を妨害する発言や嫌がらせを受けたとして、女性職員が上司と会社に対して損害賠償を請求しました。

裁判所は当該発言を、社会通念上許容される範囲を超えているものであって、使用者側の立場にある者として妊産婦労働者の人格権を害するものであるとし、上司と会社に対して、慰謝料35万円を連帯して支払うよう命じました。(福岡地裁小倉支部 平成28年4月19日)

マタハラを防ぐためには

指摘する人物

では、職場でのマタハラを未然に防ぐために、妊娠・出産した労働者とその周囲の人間が日頃からできることはあるのでしょうか。

マタハラを防ぐために日常で心がけるべきポイントをまとめました。

妊娠・出産した人が心がけること

注意

日頃から、周囲の人との円滑なコミュニケーションを心掛けましょう。

また、自身の体調等に応じて、できる範囲で適切に業務を遂行していくという意識を持ちましょう。

特に、「妊娠前と同じように働きたい」と考えて無理をして、自身の体調や業務に支障をきたすことがないよう、注意しましょう。

上司・同僚の立場の人が心がけること

同僚

妊娠・出産等についての知識や制度について理解することが大切です。

「子どもが小さいうちは女性は家にいた方がいい」など、自分の価値観を相手に押し付けないようにしましょう。

妊娠・出産や育児休業・介護休業制度の利用について「否定的な発言」をすることは、マタハラと認定される可能性があるため、注意しましょう。

特に上司の立場にある人は、妊娠・出産の制度を利用しながら働いている労働者に対して、本人の業務の状況や周囲とのコミュニケーションに関して目配りし、周囲のメンバーに隠れたハラスメント行為がないかについても注意しましょう。

マタハラ被害を受けたら

悩む女性

ハラスメントは、被害者が我慢したり、受け流しているだけでは改善されません。

マタハラ被害を受けたら、勇気を持って早期に対応することが重要です。

まずは被害の記録を残す

スマホとノート

加害者とのやり取りの内容や経緯、その時の自分の感情などを記録に残しましょう。

このような証拠は、職場への報告時や法的措置を取る際に有効に使うことができます。

職場に報告する

相談する女性

マタハラを受けたら、まずは所属している会社の相談窓口等へ相談しましょう。

相談窓口を社内に設けている場合は、管理職や人事部門による相談対応や、産業医による相談対応をしてもらえます。

相談窓口を社外に設ける場合もあり、外部のカウンセラー、メンタルヘルス専門家、弁護士などの法律専門家への相談窓口が設置されている会社もあります。

勤務している会社が設置している相談窓口を調べ、まずは会社の相談窓口へ相談しましょう。

労働局や専門家に相談する

相談する女性

職場が適切に相談に乗ってくれない、またはなかなか解決に至らないような場合は、各都道府県の労働局へ相談しましょう。

労働局は、会社に対し、法律や制度の説明をしたり、相談内容に応じて会社に事実確認を行い、会社に改善するよう指導してくれます。

また、被害者と会社との間で事実認定の部分で争いが生じている場合は、弁護士などの専門家に相談することで、法的解決のために援助をしてくれます。

マタハラの証拠収集を、探偵に依頼することも有効です。

ハラスメントの証拠を確実に確保することで、その後の職場とのやり取りや法的手続きを有利に進めることが期待できます。

悪質な場合は法的措置を検討する

弁護士

職場の対応が不十分だと感じたり、事実認定の段階で職場と争いが生じた場合は、法的措置を検討しましょう。

悪質なマタハラは違法行為であるため、加害者に対して、被害者が被った精神的・身体的損害に対する賠償を求める民事訴訟を起こすことができます。

法的手続きを取る場合は、弁護士や探偵などの専門家に相談することで、早期解決のための援助を得ることができます。

マタハラ被害でお悩みの方は当探偵事務所へ

相談窓口

マタハラ被害で苦しんでいる方は、当探偵事務所へのご相談をお勧めします。

探偵は、日頃からさまざまなハラスメント被害の相談をお受けしており、被害の証拠を確保するという方法で、トラブル解決の後押しをしています。

ハラスメントの証拠収集を探偵に依頼することで、証拠収集の代行やサポートをすることができ、確実に被害を立証することができるのです。

妊娠・出産という人生において大切な時期で、心身ともに健やかな日々を取り戻すために、当探偵事務所が必ずお力添えします。

職場内のマタハラ被害でお悩みの方は、まずはご相談だけでも、お気軽にご連絡ください。

ご相談は、お問合せフォーム・電話・メール・LINEにて24時間お受けしています。

監修者・執筆者 / 山内

1977年生まれ。趣味は筋トレで現在でも現場に出るほど負けん気が強いタイプ。 得意なジャンルは、嫌がらせやストーカーの撃退や対人トラブル。 監修者・執筆者一覧へ

 

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