
2025年8月、神戸市内のマンションで住人の女性が女性が刺殺される事件が発生。
執行猶予中だった男が、同様の手口で女性を殺害したこの事件は、社会に大きな衝撃を与えました。
なぜストーカーは、同じ罪を繰り返してしまうのでしょうか。
その背景には、単なる執着心では片付けられない根深い問題が存在します。
この記事では、ストーカー規制法や現行の対策だけでは再犯を防ぎきれない理由と、その課題について解説していきます。
目次 [ 閉じる ]

市中央区のマンションで住人の女性が刺殺された事件で、殺人容疑で逮捕された運送会社社員、谷本将志(まさし)容疑者(35)=東京都新宿区=が、被害女性について「全く知らない人です」と供述していることが、捜査関係者への取材で分かった。兵庫県警が女性を狙った経緯を調べている。
引用元:容疑者「被害女性は全く知らない人」 神戸マンション刺殺(2025年8月24日)

今回の事件では、容疑者の男が三年前にも類似の事件を起こしていたことに注目が集まりました。
路上で見かけた女性に一方的に好意を抱き、約5ヶ月間にわたってストーカー行為に及んでいたとのことです。
判決では、思考の歪みが顕著なうえ、再犯が強く危惧されるとして、2年6ヶ月、執行猶予5年が言い渡されていました。

ストーカー行為を繰り返す最大の理由には、認知の歪みが挙げられます。
ストーカー加害者の中には、下記をストーカー行為と認識すらしていない人物もしばしば見受けられます。
ストーカー加害者は、これらの行動を愛情表現として捉えています。
結果的に、無自覚でストーカー行為を繰り返し、被害者に恐怖を与えてしまうのです。
ストーカー行為を繰り返す大きな原因として「恨みの中毒症状」が挙げられます。
恨みの中毒症状とは、拒絶された恨みにとらわれ、相手を攻撃する思考と行動の悪循環から抜け出せなくなった状態を指します。
相手が自分の行動を嫌がっていると知っても、自分の考えや行動を修正できなくなるのです。
理屈は理解しているのに行動を抑えられなくなるこの状態は、薬物依存症などの中毒症状と同等のものであると考えられています。
恨みの中毒症状に陥った加害者は、自身でストーカー行為を止められません。
根本的な解決を目指すのであれば、刑罰のみならず、医学的・心理学的なアプローチが必要になるでしょう。

ストーカー行為を繰り返す背景には、認知の歪みや恨みの中毒症状などの問題があることがわかりました。
それらを踏まえた上で、日本ではどのような対策が取られているのか解説していきます。
再犯を防ぐための代表的な対策として、ストーカー規制法が挙げられます。
ストーカー規制法では、恋愛感情や怨恨の感情を満たす目的で行われる下記のような行為が規制されています。
これらのストーカー行為を働くと、加害者には禁止命令が発出されます。
禁止命令を無視してストーカー行為を働いた場合、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が課せられます。
しかし、恨みの中毒症状に陥っている加害者には、法規制が抑止力として働かない場合があります。
ストーカー規制法のみでは、再犯を防ぐのは難しいと言えるでしょう。
ストーカー行為の再犯を防ぐには、加害者への医学的・心理学的なアプローチが不可欠です。
恨みの中毒症状にある加害者が「ストーカー行為をやめたくてもやめられない……」という葛藤で苦しんでいるケースも多々あります。
認知行動療法やグループワークをとおして、認知の歪みや中毒症状からの脱却を目指します。
しかし、標準的な治療法は確立できていないのが現状です。
ストーカー加害者を受け入れる医療機関も限られており、受け入れ拡大も思うように進んでいません。
本人が通院を拒んだり、金銭的な負担が大きかったりすることが原因で、途中で治療をやめてしまうケースもあります。
加害者への医学的・心理学的なアプローチが不十分な点は、大きな課題と言えるでしょう。

ストーカーの再犯は、法律だけでは防ぎきれない現実があります。
ストーカー規制法による禁止命令が出ても、加害者の認知の歪みや恨みの中毒症状が改善されるわけではありません。
むしろ、それをかいくぐるように手口が巧妙化するケースも見受けられます。
根本解決に必要な心理的アプローチも、専門の医療機関が限られていたり、本人が治療を拒んだりするため、効果が上がりにくい現状があります。
公的な対策だけでは、ストーカーの再犯を防ぐのは困難と言っていいでしょう。
探偵であれば、身の安全を確保するためのサポートが可能です。
ストーカー被害を証明する証拠も集められるため、被害に遭われている際は、探偵への依頼も視野に入れてみてください。

監修者・執筆者 / 山内
1977年生まれ。趣味は筋トレで現在でも現場に出るほど負けん気が強いタイプ。 得意なジャンルは、嫌がらせやストーカーの撃退や対人トラブル。 監修者・執筆者一覧へ
Copyright(C) 西日本トラブル対策専門窓口. All Rights Reserved.
(C) 西日本トラブル対策専門窓口