近年、インターネットの普及により、リベンジポルノやセクストーションといった新たな形の性的脅迫被害が増加しています。
「友人や職場の人に知られたらどうしよう」
「誰に相談したらいいのかわからない」
など、デジタル性暴力の行為は、被害者に深刻な精神的苦痛を与えるだけでなく、社会問題としても注目されています。
今回はリベンジポルノとセクストーションの特徴や被害の実態、適切な対処法について詳しく解説します。
リベンジポルノとセクストーションは、どちらも「デジタル性暴力」の一形態ですが、それぞれ特徴が違います。
2つの違いは下の表のとおりです。
リベンジポルノ | セクストーション | |
加害者 | 元パートナー
(※元交際相手や元配偶者) |
不特定多数
(※見知らぬ人が多い) |
目的 | 復讐や嫌がらせなど | 脅迫と心理的な圧力 |
手法 | 同意なしに性的な画像や動画をインターネット上に公開 | 性的な画像や動画を送信させた後、金銭を脅し取る |
法的処置 | リベンジポルノ防止法 | 特化した法律はない |
※リベンジポルノ防止法=私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律
リベンジポルノとセクストーションのそれぞれの特徴を詳しくお伝えします。
リベンジポルノとは、元交際相手や元配偶者が、撮影対象者の同意なしに性的な画像や動画をインターネット上に公開する行為をいいます。
行為の目的は、復讐や嫌がらせなどです。
たとえば、怒りや恨みがある状態で別れた場合は相手に復讐するのが目的。また、「性的な画像や動画を公開する」と脅して、復縁を迫るなど加害者の目的はさまざまです。
リベンジポルノは、別れた後に行われることが多く見られます。被害者は名誉やプライバシーを侵害されるだけでなく、精神的な苦痛を強いられます。
セクストーションとは、性的な画像や動画を送信させた後、データを利用して金銭を脅し取る行為をいいます。
「Sex(性)」と「Extortion(脅迫)」を組み合わせた造語です。
行為の目的は、脅迫と心理的な圧力です。
たとえば、被害者に対して「この画像を知り合いに送るぞ」と脅迫し、金銭を要求するなどが当てはまります。
最近は女性だけではなく、男性の被害者も急増しています。
若者を中心に、SNSやマッチングアプリを通じて知り合った相手からの被害が多いです。
リベンジポルノやセクストーションの被害者は、10代~20代の若者を中心に多く見られます。
警視庁の「生活安全の確保と犯罪捜査活動」によると、2022年の相談件数は1,728件。
そのうち、51.8%が「交際相手(元交際相手)」と報告されています。
この調査によると、被害者の年齢は20代が42.0%、19歳以下は27.5%と、大半が10代~20代です。
相談件数1,728件のうち、リベンジポルノ防止法の適用による検挙件数は61件、脅迫や児童ポルノ禁止法違反などの検挙数は213件です。
相談件数に対して検挙数は圧倒的に低いのが目立ちます。
セクストーションはリベンジポルノと違い、顔見知りだけではなく、不特定多数をターゲットにします。
出会いはSNSやオンラインプラットフォームを通じて行われることが多く、加害者をほぼ特定できないことから、男女問わず近年急激に増加しています。
セクストーションとリベンジポルノは被害者の社会的評価を低下させるだけでなく、場合によっては命に関わることもあります。
リベンジポルノとセクストーションは、計り知れないほどの心理的な影響を与えます。
被害者は、プライバシーの侵害や名誉が傷つけられるなど、精神的苦痛を強く感じます。
性的な画像が公開されれば、恥辱感や自己嫌悪が生まれます。
人によってはトラウマになり、日常生活や人間関係にも大きな影響を及ぼすでしょう。
リベンジポルノの被害者は、周囲の人々からの偏見や差別を恐れ、社会的に孤立します。
とくに、友人や家族との関係が悪化することもあり、助けを求められなくなるケースが多いでしょう。
「誰にも頼れない」という孤立感は、さらなる精神的苦痛を引き起こすきっかけとなります。
一般的に多くの被害者は、自分の身体や性的な自己イメージに対する自信を失います。
インターネット上に自分のプライベートな部分が公にされることで、自己評価が低下し、自己肯定感が損なわれます。
被害者の多くは、不安や抑うつ症状を抱え込み、現在だけではなく将来に対する不安が強まります。
画像がインターネット上に残り続けることへの恐れや、再び同様の被害に遭うのではないかという不安が、心理的ストレスを増大させます。
また被害者の中には、リベンジポルノやセクストーションによる経験が原因で、「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」を発症することもあります。
PTSDは、フラッシュバックや悪夢、過剰な警戒心などの症状を伴い、日常生活に深刻な影響を及ぼします。
リベンジポルノ・セクストーションは、個人のプライバシーを侵害して、精神的な苦痛を引き起こす深刻な問題です。
このような被害を防ぐためには、次のような対策が重要です。
自分の性的な画像や動画を、絶対に他人に送信しないこと。
SNSやアプリのプライバシー設定を見直して、情報が不特定多数に公開されないようにしましょう。
また、アプリは信頼性をしっかり確認して、不明なリンクはクリックしないようにすることも大切です。
知らない人はもちろん、信頼できる相手であっても、プライベートな情報を共有することは避けるべきです。
写真や動画は撮らない・送らないことを意識して、共有はできるだけ避けましょう。
SNSの公開範囲を制限することで、個人情報が不特定多数に見られるリスクを減らせます。
また、怪しい要求には応じないこと、無視することも大切です。
一度応じてしまうと、脅迫はどんどんエスカレートする可能性があります。
もしも、リベンジポルノやセクストーションの被害者になってしまったときは、放置するのではなく次のような対応を取りましょう。
リベンジポルノやセクストーションの被害に遭った場合は、関連する証拠を確保することが重要です。
複数のデータを保存することで、今後、法的手続きを行うときに役立ちます。
被害に遭った場合は、速やかに警察に相談し、法的手続きを行うことが重要です。
日本では、リベンジポルノを処罰する法律が2014年に施行されました。
「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」(通称:リベンジポルノ防止法)よって、無断で性的な画像を公開する行為は違法とみなされ、厳しい罰則を整えています。
残念ながらセクストーションに対する法令はありませんが、脅迫罪や詐欺罪が適用されることもあります。
「セクストーションでは?」と感じたときは、早急に警察に相談しましょう。
リベンジポルノやセクストーションの被害に遭った場合は、弁護士や探偵など専門の相談窓口に相談することで、適切なアドバイスや支援を受けることができます。
個人では難しい証拠収集を、専門的な技術によって回収します。
また、探偵事務所は加害者の特定調査を行ない、法的手続きのアドバイスや警察への通報を円滑に行なうメリットがあります。
リベンジポルノやセクストーションは、現代のデジタル社会において深刻な問題です。
被害を防ぐためには、プライバシーの保護や法的対策、被害発生時の適切な対応が不可欠です。
当事務所では、専門的な知識と技術によってリベンジポルノやセクストーションの問題をサポートします。厳重に秘密保持する義務があるので、第三者に情報が漏れる心配はありません。
調査後のアドバイスや心のケアなど、アフターフォロー体制もしっかり整えています。
家族や友人に知られることはありませんので、ぜひ一度ご相談ください。
監修者・執筆者 / 山内
1977年生まれ。趣味は筋トレで現在でも現場に出るほど負けん気が強いタイプ。 得意なジャンルは、嫌がらせやストーカーの撃退や対人トラブル。 監修者・執筆者一覧へ
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